バージョンアップは2年前から計画が必要
Windows Server 2012の延長サポートの終了期限が2023年10月に切れます。サポートが切れた製品を使い続けると、メーカーのサポートが受けられないため、バージョンアップを実施することになります。まだまだ、2年以上先の話になりますが、そろそろ着手した方がよいです。
その理由は対応可能なベンダーさんの確保が難しいからです。
基幹システムのバージョンアップはシステムを数日間停止して行う必要があるため、ユーザと停止期間を調整する必要があります。2022年の年末をターゲットとすると、どこの企業も同じようなタイミングでバージョンアップを実施するので、対応できるベンダーさんが他企業の案件で出払っていて対応できないといったことになります。
昨年末にバージョンアップを実施しましたが、いくつかのベンダーさんからはリソースを確保できず提案できないと断られました。2020年末でこのような状況ですから、2022年末は早めに依頼しておかないと、自分自身でバージョンアップを行わないといけないといったこともあり得るかと思います。
バージョンアップ
転職して今の会社に入るまではSierとしてバージョンアップ対応をしてきましたが、今回社内SEとして対応すると、体感では2倍ぐらい大変でした。
今回の記事では実施したことを列挙していき、今後の記事で詳しく紹介していこうと思います。
タスクリスト
- スコープの確認
- HWリプレース
- SAPバージョンアップ
- 周辺システムバージョンアップ
- SAP GUIバージョンアップ
- 概算見積もりの取得
- 簡易RFP作成
- 複数ベンダーに依頼
- ベンダー間のスコープ調整
- 再見積もり依頼
- スコープ外タスクの計画検討
- 予算取り
- 概算見積もりの集約
- 見積もり根拠作成
- 来期予算として上申
- 予算承認取得
- 複数ベンダーから見積もり取得
- 提案比較
- プロジェクト全体計画作成
- 承認取得
- 発注
- 正式見積もり取得
- 契約書の法務レビュー
- 発注
- 契約書の送付
- プロジェクト開始準備
- 全体スケジュール作成
- プロジェクトの体制構築(社内の他チームとの調整含む)
- 会議体の設定
- PMO活動
- 予算超過しないかの管理
- 課題管理(期限、担当、進捗、重要度)
- タスク管理(期限、担当、進捗、重要度)
- 社内への定期報告
- 要件定義
- 既存の要件と変更する点を確認
- セキュリティ面の要件は構築当時より増えているので注意
- バージョンアップ後の環境を何年稼働させるか定義
- 3.を満たすためのバージョンを選定
- 移行方針の策定(バージョンアップ方式、移行日程)
- 基本設計・詳細設計
- 現行環境の調査
- 新環境のシステム設計
- 現行環境と新環境とで差異がある個所をレビュー
- SAP GUIのバージョンアップ、展開方式の設計(忘れがち)
- 環境構築(移行テスト)
- OSセットアップ
- バージョンアップ実施
- バージョンアップにかかる時間を計測(ダウンタイム)
- バージョンアップにかかわる課題の対応
- 初期動作確認
- テスト
- テスト計画策定(どの環境で、いつ、何のために、どんなテストを行うか)
- システムテスト(バックアップ、リストアなど)
- アプリケーション単体テスト(SAP上の単体テスト)
- データ連携テスト(周辺システムとの疎通確認)
- ジョブ連携テスト(JP1などから夜間処理を実行し、ジョブ間、システム間のデータ連携を確認)
- 負荷テスト(大量アクセス時の負荷、大量データ処理時の負荷を確認)
- セキュリティテスト(脆弱性診断)
- 運用テスト(現行環境と異なる運用のテスト)
- 移行リハーサル
- 移行リハーサル1回目
- 課題対応
- 本番移行時のダウンタイム試算
- 移行リハーサル2回目
- 課題対応
- 本番移行時のダウンタイム試算
- 本番移行準備
- 移行実施日の調整
- SAP GUI配布調整
- 社内アナウンス
- 本番移行
- バージョンアップ
- 移行中の進捗、課題管理、定期報告
- 移行後フォロー
- 移行後の課題対応
- 移行後の問い合わせ対応
- プロジェクトのクローズ
- プロジェクト報告書提出
- 予算と実績
- 残課題
- 他プロジェクトへの共有
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